VVFケーブルの選び方
VVFケーブルは正式名称を「600Vビニル絶縁ビニルシース平形ケーブル」といい、600V以下の屋内配線で最も一般的に使用される電線です。住宅・商業施設・公共施設まで広く使われ、照明、コンセント、エアコン、IH機器など多様な機器の電源供給を担います。絶縁とシースをビニルで覆う構造により耐水性に優れ、腐食しづらく安定した品質を保てるのが大きな特長です。
VVFを選ぶうえで最重要となるのは、消費電流に応じた「太さ」と「芯数」の選定です。太さ(導体径)は1.6mm・2.0mm・2.6mmが主流で、許容電流は概ね1.6mmで19A以下、2.0mmで27A前後が目安となります。照明回路や一般的なコンセントでは1.6mmが多く、エアコンやIHなど負荷の大きい機器では2.0mmを選ぶなど、用途に合わせて使い分けます。
芯数には2芯・3芯・4芯があり、アース線が必要な回路や単相200V回路では3芯以上を選びます。芯数が増えるほど仕上外径が太くなり、曲げ半径も大きくなるため、配管内の通線や曲がりが多いルートでは施工性も考慮が必要です。いずれも規格が決まっているため、各メーカー間での互換性は高く、基本性能に大きな差はありません。
また施工現場では、複数ルートを識別しやすいようにケーブルの色分け(グレー・白・黒など)を行うケースもあり、仕上後の保守・点検においても有効です。流通長さは10m・20m・50m・100mが多く、余剰を抑えつつ必要量を確保できるよう計画的に選びましょう。
VVFケーブルは大量に消費される配線材料だからこそ、作業しやすさ(被覆の剥きやすさ、曲げやすさ)、流通量、信頼性を踏まえ、扱いやすいメーカーを選ぶことが施工品質と効率につながります。
おススメのVVFケーブルメーカー5選!(2025年版・順不同)
1. 矢崎(YAZAKI)
電線と言えば矢崎と言われるほど、住宅・設備業界での知名度が高いメーカーです。品質が安定し施工レビューの評価も高く、量販・ネット・電材店どこでも入手しやすいのが魅力。耐熱性や機械的強度にも優れ、初めての購入でも安心して選ばれています。
2. 富士電線工業
配電用から工業用まで多様な電線を手がける老舗で、コスパと品質のバランスが良いことからプロユーザーの支持も厚いメーカーです。剥きやすく曲げ性能が良いとの声も多く、小規模配線から設備工事まで幅広く採用されています。
3. 弥栄電線
VVFケーブルの伝統あるメーカーで全国的に流通量が多いブランドです。被覆の材質や仕上げが美しく、露出配線の仕上がりを意識した現場でも採用されやすい傾向があります。長年の評価と流通実績から信頼感のあるメーカーです。
4. 協和電線工業
カラーVVF、アース線付きなどラインナップが豊富で、現場の細かなニーズに応えられるメーカー。整理・識別を重視した配線計画でとても重宝します。関西圏だけでなく全国的に採用例が多く、安心して選べます。
5. 住電HSTケーブル
住友電工グループとして電線分野に特化した高信頼メーカーです。一般住宅から商業施設まで幅広い低圧配線に強く、耐候性にも優れた製品を展開。主要電材店で安定して手に入る点もメリットです。
いかがでしたか?
VVFケーブルは規格そのものは統一されており、メーカーによる性能差は大きくありません。ただし施工性、流通性、保守性などを踏まえるとブランドの選定は工事品質に影響します。今回紹介したメーカーはいずれも信頼性があり、住宅や小規模設備工事で安心して採用できる選択肢です。配線計画に応じて太さ・芯数・色を確実に選び、効率的に施工していきましょう。











