全ネジカッタの選び方(2026年版)
全ネジカッタは吊りボルト(全ねじ)を専用刃で「素早く」「正確に」「バリなく」切断できるプロ工具です。建築・電設・設備工事において、ダクトハンガー、配管支持金具、ケーブルラックなどの設置では必須級。特に天井懐や脚立上作業では丸のこやサンダーよりも安全性と切断面品質の両立が大きな利点です。
粉じんや火花が出ないため、火災リスクのある現場や仕上げ後の室内、設備稼働中の施設でも安心して使用できます。
最適な一台を選ぶには、次の5つの観点を押さえましょう。
① よく切るサイズ(M6/M8/M10/M12)
主流は
・M10(3分=W3/8)
・M12(4分=W1/2)
M12まで対応するモデルは硬い母材でも沈み込みが良く、将来的な現場拡張にも有利です。ステンレス(SUS)可否も必ず確認。非対応の機種でSUSを切ると、刃や本体寿命を著しく縮めます。
② 刃の仕様(並行/直角/V溝形状)
刃の方向性は作業姿勢で決めます。
・直角刃(T字型):天井向け施工に強い
・並行刃(I字型):床置き・架台で安定しやすい
刃形状で切断面の「ナット通り」が変化します。ナットがスムーズに入る切断面を安定して得られる機種を選びましょう。
③ 電源方式(14.4V/18V/マルチボルト)
現場の傾向別に見ると、
・14.4V:上向き作業が多い内装で軽快さ重視
・18V:ダクト・配管など負荷高めの汎用主力
・36V/マルチボルト:M12&SUS対応の現場主力機
既存バッテリーとの互換性は運用コストと段取りに直結。充電環境やチーム運用まで含めて最適化しましょう。
④ 切断品質(ナット通り/刃痕の整い)
・仕上げ工程でナットが引っかからない
・バリ取り不要で作業短縮
・寸法誤差が出にくい
油圧式は特に太径で「刃の押し負けが少ない」ため、切断面が安定しやすいのが強みです。
⑤ 重量と取り回し(脚立上作業のしやすさ)
吊りボルト切断の7割は脚立上の上向き施工。腕の疲労軽減と安全性は選定の大きな決め手です。
・2kg前後:上向き向けの軽快モデル
・3kg以上:M12やSUS中心の重作業向け
天井裏ではLEDライトの有無も視認性に差が出ます。
総括すると、
「太さ」「素材」「姿勢」「バッテリー互換」
この4点をセットで考えると最短で最適解に辿り着けます。
おススメの全ネジカッタ5選!(2026年版・増量版)
1. マキタ SC121DRG(18V・油圧式)

対応サイズ:W3/8・W1/2、M10・M12(軟鋼/SUS)
方式:電動油圧
重量:約3.2kg
想定現場:ダクト・配管の主力現場、太径・SUSが混在する案件
油圧ブーストで刃の押し負けが少なく、M12やSUSでも切断面が整いやすいのが強み。上向きでも反力がマイルドで、脚立連続作業でもリズムが崩れにくい構成。切断後のナット通りが安定し、仕上げの手戻りを抑制します。
メンテTip:刃の当たり面の金属粉をこまめに清掃。替刃は主戦サイズで2セット常備すると大量本数日も安心。40Vmax主力現場でも18V資産活用で導入しやすい一台。
2. パナソニック EZ45A4(14.4V/18Vデュアル)

対応サイズ:W3/8、M10(軟鋼/一部SUS対応)
方式:メカ式(高剛性駆動)
重量:約2.5kg
想定現場:内装・電設の上向き中心、デュアル電圧の資産活用
既存電池を有効活用できるデュアル対応が魅力。上向き時の視界と保持性に配慮したヘッド形状で、狭い天井懐でも合わせやすい。ナット通り重視の刃先設計で仕上げの微調整を削減します。
運用Tip:W3/8主体、ときどきM10の案件に好適。SUSは仕様範囲を事前確認し、対象が多い日は替刃を多めに準備。
3. HiKOKI CL18DSL(18V)

対応サイズ:W3/8、M10(軟鋼中心)
方式:メカ式
重量:約2.0〜2.1kg台
想定現場:3分主体の量産現場、軽さ優先の改修・テナント工事
軽さと取り回しが武器。上向き連続切断でも腕の負担が小さく、スイッチ配置と刃口の見やすさで寸法再現性が高い。3分の大量処理にテンポ良く対応でき、標準作業の主力に。
注意点:SUSはモデル仕様で制約あり。SUS多めの現場は油圧式と併用運用が安全。18V資産の共同運用で段取りも軽く。
4. 亀倉精機 DW-408B(18V・電動油圧)

対応サイズ:M8・M10・M12(軟鋼/SUS)
方式:電動油圧
重量:約2.9kg
想定現場:M12比率が高い設備・機械据付、SUS混在の高負荷現場
電動油圧でパワーに余裕があり、M12量産でも失速しにくい。刃保持剛性が高く、切断面が整うためナット挿入がスムーズ。替刃交換は工具レスでテンポ良く行えます。
バランス:やや重めでも重心が手元寄りで上向きしやすい。HiKOKI系バッテリー互換で導入障壁が低い点も◎。
5. マキタ SC101DRF(18V)

対応サイズ:W3/8・W1/2、M8・M10・M12(機種構成に準拠)
方式:メカ式(高剛性機構)
重量:約2.7kg
想定現場:改修主体のゼネコン下現場、金物支持の多い内装
切口のバリが少なく、切断後すぐにナットが入る整いの良さが特長。先端形状が材料を逃しにくく、暗所でも合わせやすい。マキタ18V資産と親和性が高く、充電器・電池の共有運用が可能。
運用Tip:M10/M12は替刃を使い分けると品位が安定。追加加工が多い現場でも寸法ズレを抑えられます。
比較と選定の目安
・太径やSUSが多い → 油圧式(マキタSC121/亀倉DW-408B)
・3分量産と軽快重視 → 軽量メカ式(HiKOKI CL18DSL)
・デュアル電圧で資産活用 → パナソニックEZ45A4
・18V統一運用で段取り最適化 → マキタSC101DRF
運用Tips:替刃は主戦サイズで2セット常備。上向き日はLED付きヘッドを優先。SUS切断日は作業後の刃面清掃を徹底。これだけで仕上がりと刃持ちが目に見えて改善します。





