▼選択中の条件
カテゴリ:
店舗:
メーカー:
状態:

 

全ネジカッタの選び方(2025年版)

 

全ネジカッタは吊りボルト(全ねじ)を専用刃で「素早く」「正確に」「バリなく」切断できるプロ工具です。建築・電設・設備工事において、ダクトハンガー、配管支持金具、ケーブルラックなどの設置では必須級。特に天井懐や脚立上作業では丸のこやサンダーよりも安全性と切断面品質が大きな利点です。

粉じんや火花が出ないので、火災リスクのある現場や仕上げ後の室内、設備稼働中の施設でも安心して使用できます。

正しい選び方は、次の5つの観点を押さえることです。

 

① よく切るサイズ(M6/M8/M10/M12)

 

主流は
・M10(3分=W3/8)
・M12(4分=W1/2)

M12まで対応するモデルは
硬い母材でも沈み込みが良く、将来的な現場拡張にも有利です。
ステンレス(SUS)可否も必ず確認。使えない場合、工具寿命を著しく縮めます。

 

② 刃の仕様(並行/直角/V溝形状)

 

刃の方向性は作業姿勢で決まります。
・直角刃(T字型):天井向け施工に強い
・並行刃(I字型):床置き・架台で安定しやすい

さらに刃の形状により切断面の「ナット通り」が変化します。
ナットがスムーズに入る切断面を安定して得られる機種を選びたいところです。

 

③ 電源方式(14.4V/18V/マルチボルト)

 

現場では
・14.4V → 上向き作業が多い内装
・18V → ダクト・配管など重作業
・36V/マルチボルト → M12&SUS対応の主力機

既に持っている電池との互換性も重要。
充電環境とチーム運用を含めて最適化すると、生産性が大きく変わります。

 

④ 切断品質(ナット通り/刃痕の整い)

 

・仕上げ工程でナットが引っかからない
・バリ取り不要で作業短縮
・寸法誤差が出にくい
これらが実務では非常に重要です。

油圧式モデルは特に
太径での「刃の押し負けが少ない」ため切断面が安定しやすいです。

 

⑤ 重量と取り回し(脚立上作業のしやすさ)

 

吊りボルト切断の7割は脚立上の上向き施工。
腕の疲労軽減と安全性は工具選定の大きな決め手です。

・2kg前後 → 上向き向け
・3kg以上 → M12ステンレス中心の重作業向け

LEDライトの有無も、天井裏では大きな差に。

 

総括すると
「太さ」「素材」「姿勢」「バッテリー互換」
この4点をセットで考えると最適解に最速でたどり着きます。

 

おススメの全ネジカッタ5選!(2025年版・増量版)

 

1. マキタ SC121DRG(18V・油圧式)

 

 

対応サイズ:W3/8・W1/2、M10・M12(軟鋼/SUS)
方式:電動油圧
重量:約3.2kg
想定現場:ダクト・配管の主力現場、太径・SUSが混在する案件

SC121DRGは油圧ブーストで刃の押し負けが少なく、M12やSUSでも切断面が整いやすいのが強みです。上向きでも反力がマイルドなため、脚立作業の連続でもリズムが崩れにくい構成。切断後のナット通りが安定しやすく、仕上げの手戻りをほとんど発生させません。
メンテは刃の当たり面に金属粉が溜まりやすいので、作業区切りで軽清掃すると刃持ちが伸びます。替刃は現場の主戦サイズに合わせて2セット常備すると、大量本数の日も安心です。40Vmax主力現場でも18V資産を活かせるため、プラットフォーム統一の観点でも採用しやすい一台です。

 

2. パナソニック EZ45A4(14.4V/18Vデュアル)

 

 

対応サイズ:W3/8、M10(軟鋼/一部SUS対応)
方式:メカ式(高剛性駆動)
重量:約2.5kg
想定現場:内装・電設の上向き中心、デュアル電圧の資産活用

デュアル対応で既存電池を有効活用できるのが最大の魅力です。上向きでの視界と保持のしやすさに配慮されたヘッド形状で、天井懐の狭い現場でも合わせやすい作り。ナット通りの良さにこだわった刃先設計で、仕上げ工程の微調整が減ります。
軽量バランスゆえに、長時間の脚立作業や段取り替えの多い日でも疲れにくいのが実感値。W3/8が主戦で、ときどきM10が入るような案件に非常にマッチします。SUSの扱いは仕様範囲を事前確認し、対象が多い日は油断なく替刃を準備しましょう。

 

3. HiKOKI CL18DSL(18V)

 

 

対応サイズ:W3/8、M10(軟鋼中心)
方式:メカ式
重量:約2.0〜2.1kg台
想定現場:3分主体の量産現場、軽さ優先の改修・テナント工事

軽さと取り回しの良さが武器で、上向きの連続切断でも腕の負担が少ない構成です。スイッチレイアウトと刃口の見やすさが良好で、寸法合わせの再現性が高いのも現場評価ポイント。
3分の大量本数処理でテンポ良く回せるため、ダクトハンガーの吊り下げやラック支持の標準作業に向きます。SUSはモデル仕様により制約があるため、SUSが多い現場は油圧式モデルと併用運用にするのが安全です。18Vの工具資産が多い事業者は、バッテリー共同運用で段取りが軽くなります。

 

4. 亀倉精機 DW-408B(18V・電動油圧)

 

 

対応サイズ:M8・M10・M12(軟鋼/SUS)
方式:電動油圧
重量:約2.9kg
想定現場:M12比率が高い設備・機械据付、SUS混在の高負荷現場

電動油圧のためパワーに余裕があり、M12の量産切断でも失速感が出にくい作りです。刃の保持剛性が高く、切断面の整いが良いのでナットの挿入がスムーズ。替刃のアクセス性が良く、工具レスでテンポ良く交換できるのも現場向きです。
重量はあるものの重心が手元寄りで、上向き姿勢でも意外なほど振り回しやすいバランス。HiKOKI系のバッテリー互換で導入障壁が低く、既存の充電インフラに自然に組み込みやすいのもメリットです。

 

5. マキタ SC101DRF(18V)

 

 

対応サイズ:W3/8・W1/2、M8・M10・M12(機種構成に準拠)
方式:メカ式(高剛性機構)
重量:約2.7kg
想定現場:改修主体のゼネコン下現場、金物支持の多い内装

切口のバリが少なく、切断後すぐにナットが入る整いの良さが特長です。角度合わせの際に材料を逃しにくい先端形状で、天井裏の暗所でも合わせやすい設計。上向き多めの現場で手数が稼げるバランス機。
マキタ18V資産との親和性が高く、充電器や電池を共有した運用が可能。替刃はM10用とM12用を使い分けると切断面の品位が安定します。ハンガーボルトや架台周りの追加加工が多い現場でも、寸法ズレが出にくく後工程がスムーズです。

 

比較と選定の目安

 

・太径やSUSが多い → 油圧式(マキタSC121 / 亀倉DW-408B)
・3分量産と軽快重視 → 軽量メカ式(HiKOKI CL18DSL)
・デュアル電圧で資産活用 → パナソニックEZ45A4
・18V統一運用で段取り最適化 → マキタSC101DRF

運用Tips:替刃は主戦サイズで2セット常備、上向き作業日はLED付きヘッドを優先、SUS切断日は作業後の刃面清掃を徹底。これだけで仕上がりと刃持ちが目に見えて改善します。