スライド・卓上マルノコの選び方(2025年版)
スライド・卓上マルノコは、回転するチップソーを前後にスライドさせることで、厚物や広幅材を高精度に切断できる電動工具です。通常の丸のこよりも直角・角度精度が高く、カットラインが揃いやすいため、内装仕上げ・造作材・巾木・化粧材などを美しくスパッと加工できます。
近年はパイプスライド方式により省スペース化が進み、壁際でもワイドな切断が可能なモデルが増えたほか、レーザーやLEDで視認性が向上し、粉じん対策や安全装備も進化しています。
選定の際は次のポイントをチェックするのがおすすめです。
① 刃径(切断幅とパワーの指標)
一般的な刃径は165mm・190mm・216mmなど。
・165mm:軽量。内装仕上げ中心なら十分
・190mm:312mm幅(一尺三分)を一発切断する現場向け
・216mm:直角・角度精度を求める大型材、金物混在まで視野
刃径が大きいほど深さ・幅に余裕が生まれ、段取りが速くなります。
② 電源方式(コード式/コードレス)
コード式(AC)
・長時間作業向き
・工場/新築など電源確保できる環境で有利
コードレス(充電式)
・屋外、改修、階段上、高所などで自由度大
・40Vmaxや36Vなら厚物も対応可能なモデルあり
現場の可搬性を考えると、最近はコードレスを選ぶ職人も増えています。
③ 精度装備(直角・角度の再現性)
・レーザーマーカー/LED
・角度微調整/目盛の視認性
・スライド機構の剛性
・ベース&フェンスの平面精度
化粧材の突き合わせ精度を左右するため、ここは妥協しないほうが吉です。
④ 粉じん・安全対策(屋内作業では必須)
・集じん機連動ポート
・切粉排出方向の工夫
・電気ブレーキ
・キックバック抑制
・二重絶縁/誤作動防止ロック
粉じん対策が整うと、工程後の清掃が劇的に減ります。
⑤ 運用面(設置スペース/携行性)
・パイプスライド:壁際でワイド切断
・折りたたみ/ハンドル位置:移動しやすさ
・重量バランスとスペース効率
現場移動の多い職人は、この差で生産性が変わります。
以上を踏まえて、「切断幅」「電源環境」「仕上がり品質」の3軸で最適解を選びましょう。
おススメのスライド・卓上マルノコ5選!(2025年版)
1. HiKOKI 165mm 卓上スライド丸のこ C6RSHD
刃径:165mm
電源方式:AC
切込み:幅245mm/深さ最大46mm
傾斜:左右45°
トリプルボールベアリングによる軽快スライドで、内装仕上げの精度が安定。10kgと軽量で持ち運びやすく、戸建・リフォーム現場の定番モデル。
2. マキタ 190mm スライド丸のこ LS0717FL
刃径:190mm
電源方式:AC
切込み:幅312mm/深さ最大62mm
傾斜:左右46°
一尺三分材を一発切断。コンパクトボディで収納・積載効率も良い。レーザー+LEDで視認性が高く、巾木の立て掛け切断にも強いプロ仕様。
3. マキタ 216mm 卓上スライド丸のこ LS0814FL
刃径:216mm
電源方式:AC
切込み:幅312mm/深さ最大65mm
傾斜:左右45°
高精度・高剛性で、角度調整の再現性が高い。サイクロン集じんを備え、屋内作業にも強い名作。細かな建具加工にも対応する大型クラス。
4. マキタ 165mm 充電式卓上丸のこ LS600D(18V)
刃径:165mm
電源方式:18V
切込み:幅92mm/深さ最大46mm
傾斜:左右46°
スライドなしタイプの軽快モデル。狭所・短尺中心の現場で機動力抜群。自動変速で硬材もスムーズ、電源確保が難しい場所で活躍。
5. HiKOKI 190mm マルチボルトコードレス卓上スライド丸のこ C3607DRA
刃径:190mm
電源方式:36V/18V
切込み:幅312mm/深さ最大61mm
傾斜:左右45°
パイプスライド方式で壁際でも広範囲を一撃。電源不要で重作業に耐え、内装から外構まで幅広く対応。コードレスの主力に据えられるパワー機。
いかがでしたか?
スライド・卓上マルノコは、
切断幅 → 刃径
段取り力 → 電源方式
仕上げ品質 → 精度装備
で選ぶと失敗しません。
312mm級が必要なら190mm以上を基軸に、狭所中心なら165mm、工務店フル稼働なら216mmクラスがベスト。現場の動線にフィットする機種を選べば、カット効率と仕上がりが一段上がります。











